安倍晋三首相は14日、官邸で記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた改正新型インフルエンザ等対策特別措置法による緊急事態宣言について「現時点で宣言する状況ではない」と述べた。東京五輪・パラリンピックに関しては、予定通りに開催したいとした。経済の悪化に向けては「一気呵成(いっきかせい)にこれまでにない発想で、思い切った措置を講じる」と述べ、大規模な経済対策を速やかに行う考えを示した。
首相は、日本の感染拡大の現状について「依然として警戒を緩めることはできない」と指摘。私権の制限も含む緊急事態宣言については「国民の命と健康を守るため、必要であれば、手続きにのっとり法律上の措置を実行する」と述べ、専門家の意見を踏まえ慎重に判断し、宣言した場合には記者会見を開き説明すると表明した。
五輪に関してはトランプ米大統領が1年延期に言及した。首相は会見で、13日の日米首脳電話会談では「延期や中止は一切話題になっていない」としたうえで、「成功に向けて日米で緊密に連携していくことで一致した」と説明。26日の福島県内での国内聖火リレーのスタートに「立ち会いたい」と述べた。
首相は、感染症が「経済全般に渡り甚大な影響をもたらしている」と危機感を表明した。自民党若手議員が消費税率引き下げを含む30兆円規模の補正予算編成を求めているが、首相は「さまざまな可能性を想定しながら、必要かつ十分な経済財政政策を間髪を入れずに講じていきたい」と述べた。
小中高校の休校要請にも言及し、卒業式に関して「安全面で工夫した上で、ぜひ実施してほしい」と述べた。健康管理やストレス解消のため、児童らに屋外での運動の機会を設けるよう呼びかけた。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース